ごあいさつ

育英事業を手がける思い

1911年、当園の礎である「蓼沼慈善団」が設立され、以後、1919年に財団法人三好園と改組、そして100年を経た2013年、公益財団法人として認定を受けました。この間、小規模ながらも公益育英財団として一定の役割を果たしてきたのではないかと自負しております。近年、グローバル化の加速や長期に渡って低迷する経済の影響により様々な社会問題が顕在化しております。中でも、最も憂慮すべき事柄の一つは、「所得の格差が教育の格差」と論じられている問題であります。実際、十分な学力がありながら高等教育を諦めざるを得ない学生も数多く目にします。我が国の公的教育支出は、比較可能なOECD 28ヶ国中27位と低迷しており、より予算拡充が望まれるところですが、財政の悪化が、中々、それを許さない状況にあると思います。結果、育英事業もより福祉目的化せざるを得ない傾向にありますが、当園は、従来通り、育英資金貸与と云う金銭の授受そのものよりも、先々公共の為に資するであろう有為な学生を支援することを主眼として育英事業の更なる充実に努めて参りたいと存じます。
関係者の皆様には、今後とも倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

五代理事長 蓼沼恒男